冷たく穏かな風

回顧するのは偶の事
今日は空白をクリックしませんから
少しだけ許して



†あの日の明け方。
まだ誰も来ない小さな部屋で、
そこから見えようもない、
明けの空を見たいと願想っていた。
窓といえる様なものなど無く、
鍵は外側から施されていたから。



何時になったら此処から抜け出せますか。
本当に此処から抜け出したいのですか。
そんな事を。
深く自問してはいなかったから、
答えなんて見つかる訳もないまま、
ただ時間に流される様に処理に徹していた。


毎日、機械の様に黙々と、明るく。



人に流されるのは厭だけれど、
時間に流されるのはもっと厭で。
それなら流され続ける状況を変えれば良い。
そんな事をぼんやりと考えていた。という記憶。
でもその考えは、今現在にも云える事。

半透明な籠から仰ぐ空

愛と呼ばれる俗物
戀と呼ばれる感情

籠の中で全てを絶って

想う世界へ。