夜の時

夜の時

†華やかに行われた友達の誕生会の帰り。
日も暮れてしまい、辺りも寂しくなってきた。
小さい時から両親は共働きに出ていて、
朝にならないと帰って来ない為、
独りになるのには慣れていた筈だった。
それなのに最近は夜が怖く感じる。
以前は友達の家に泊まっていたけれど、
ここのところ、それすらしようと思えない。
心の余裕のようなものが薄れている。
やっぱり私は強くないんだと実感させられた。
電車に乗って適当に景色でもみよう。
そう考えて、行った事のない方向への電車に乗った。



夜の景色は実に様々な彩りをみせてくれる。
その下では色んな人がそれぞれに生きている。
暫く眺めていると大きな観覧車がみえた。
それをみてすぐに次の駅で降りる事に決めた。



広く大きい通りを歩いて、そのすぐ下まで来てみた。
こうして下からみると、その大きさが凄いものに思える。
まるでゆっくり時を刻む大きな時計の様だ。
一番上は怖いだろうか。
何故だか少しずつ楽しくなってきた。
何がみえるのだろう。