2006-04-05 憂いの桜 創 †彼の友達から聞かされた彼の言葉。 僕にはあまり時間が無い。 あの人の好きな桜の花弁が、 川面に散り流されてゆくのを、 美しいと感じる事なく、 ただ切ない思いで眺めていた。 桜の花にも時間が無い。 可憐な咲き始まりを望まれながら、 人々の心を華やかさで満たした後、 こうしてひっそりと散ってゆく。 何も知らなかった。 彼はいつも明るい声で話すから。 いつも優しい笑顔でいてくれるから。