冬の入り口

†待ち侘びた季節の到来。
急ぐ人々で溢れる往来。
弛緩した顔で歩こうものなら、
忽ちにして輪から弾き出される。


私の肌は、まだ本格的な寒さを感じていない。
これから少しずつ凍みてゆくのでしょう。
凛とした冷たい空気は思考を浄化してくれ、
鈍りきった身体にも芯を通してくれる。
最もそれを感じられるのは、朝と夜。


だから今年の冬も、
再び深夜にビル街を歩いてみたり、
早く起きてみたりして朝焼けを眺めたり。
そんな日を幾つか持ってみたい。



廻り来る桜の季節にも想いを馳せながら。