陽と月

†振り返ると橙色の陽。
前方を仰ぎ見ると白い月。
一つの空に二つの存在。
どちらも私の好きな存在。



街路樹の下を歩きながら、
記憶を振り返ってみた。
長く歩いて来た色彩の道。



握っていた拳の力を抜いて、
俯きがちな顔を上げて歩いた。
当たり前の様に笑顔になれた。




初めから開いていた、
半透明の籠の扉。
その鍵を、
そして命を手にして、
此処から羽ばたく。
銀の翼で。