†これは私の生で欠かせない物の一つ。
幼い頃は鈴の中は無限だと信じていた。
そして魔法の国が存在するとも。



修学旅行で京都に行った時が再会だった。
うっとりするよな香りを放ち、
涼しげで何とも優雅な音色を奏でる鈴の鍵飾り。
刺戟される記憶の中に夢みがちな少女の目。
それは気分の良いものではなかったけれど、
鍵飾りは手に入れるべき品なので躊躇せず購入した。
その鍵飾りは本当に美しかった。
けれど残念な事に今は手元に無い。




涼やかで凛とした鈴や硝子がたてる音、
そして銀が微かに触れる音が好きなおかげで、
そういった類の物を集める様になっていた。
これだという物がなかった、また形にこだわる時は、
器用な知人に頼んで作ってもらっている。
今、私の右耳には常に想像していた通りの、
冷たい美しさが奏でる純銀製十字架の耳飾りが光っている。