空調機械

†壁上部に取り付ける型に絞って。
この機械には幼少期に味わった、
微かな断片を想起させられる。



夏の夜の就寝時。
早く床に入ったけれど中々寝つけないまま、
眺めるとはなしに空調機のタイマーの、
闇に残る小さなランプを眺めていた。
緑、赤に近い桃色。夢の街にいる様だった。
眺める事から見つめる事へと変わった時、
何だか視ている事が楽しくなってきて、
益々眠りに就けない状態へと陥ったのん。



今、想ってみても不思議なもので、
何故あんなにも執着したのかわからない。
ただ、今もそのランプを目にする度に、
色彩に対するこだわりの様なものや、
あの感覚に囚われ見つめて了うという事は、
幼少期より余り変化が無い、
その時期に何かしらの出来事があった、
または変癖の何れかなのでしょう。か。