暦紙

†日捲り、月捲り、週捲り、卓上・・・。
十五歳の頃は日捲りを破る事が好きだった。
真新しい物だと早く破きたくて仕方が無く、
まだ日も変わらないうちに破いたものだから、
育ててくれた方の怒りと悲哀は凄まじかった。
以来、私に知られない様にこっそりと、
箪笥の引き出しの中で捲られる日捲りをみる度に、
暗い所で役目を果たす姿が可哀相に思え、
その変癖は一週間程で幕を閉じたのです。
それから物の大切さが少しずつ解る様になり、
粗末に扱う事をしなくなったん。です。



あの時育てて下すった方・・・私、成長しました。
そして良き生誕の日、おめでとう御座居ます。