時に乗って

時繋ぎ

†誕生日でも記念日でもない、
年に一度の不思議で特別な日。
私の記憶の中で形成された、
通り過ぎる事の出来ない日。
あの日、あの懐中時計が教えてくれた。
止まって了って修理不能に陥って以来、
大切にしていたのに人の手に渡って了った。




そして今。
数え切れない時計の針の回転を経て、
たくさんの歳月が流れた。
この日を迎えた私は、
飽きない夕空を眺めていた。
きらきら輝く懐中時計を手に握りながら。