救いの礫

†悲しみは昨日の夕空に癒されたから、
今日は銀灰色の空から降る礫に打たれて、
再び歩き出す為に心を洗ってみるよ。




もうこの手は、
徒に誰かを駅のホームから落とす衝動に、
支配されたりしないから。




君が僕の鎖で苦しむ事があるのなら、
救いの手にはならないかも知れないけれど、
せめて僕自身がその枷を外してあげたい。
籠の扉は何時でも開けてある。




だから。
どうか君の思うが儘に、
この広い空に羽ばたいてみて欲しい。
僕も同じ空の下でもう一度、
飛び発つ準備をしてみるから。