紫煙

カーテンが開いて
音楽が流れたら
覚醒する




†銀の箱の中の有害な安らぎを一服。
カーテンは開いているのに音がない。
寂しいなぁ起きれないよ、って呟いて、
再びヘッドフォンを耳に。
何とも甘く冷たく優雅な曲が流れ、
重い瞼がしっかり開かれた。

白い朝の気怠い雑踏に紛れ
見慣れた路地裏へ身を隠す
此処では時はゆらりと流れるから
消え入りそうな月を眺めながら
明日を思う事が出来る

特別な場所だった。
今でも偶に通り過ぎる度にそこで安らぐ。