凶気の爪

誰かを傷つけて了った時
自分が厭になるけれど
その傷の深さがわからないから
度合いを知りたくて
繰り返し傷つけてしまうのかも知れない



†空気が軽く振動し始めた。
一瞬のうちに悪意の棘が心に刺さって、
小さな爆発を起こした。痛い。
それは内側から螺旋状に広がってゆき、
ついに大きな爆発を起こした。熱い。


一秒の空白。


本当は何が気に入らないのか、
それすら判らない。心も空白。
気付くと衝動に任せ爪をたてていた。
相手の心の悲鳴すら聞き入れずに。

お前は何者だ。
何者でもないお前が、
他者を傷つける。
その様な事など、
決して赦されてはならぬ。

鬱って自己嫌悪に陥るけれど、
自己嫌悪に陥る暇があるのなら、
手遅れになる前に相手の心の手当てを…。