失踪パニック

†御ミサの後に人待ちをしつつ、
一人寂しくふらふらしていると、
メヰル受信の振動があった。
送信者は義兄。
文面は『姉の失踪』を告げていた。
消えたとな。
冗談だとは思わなかった。
何故なら数日前、
当の本人が笑いながら、
『飛んじゃおうかな』
と言っていたのだから。
とりあえずメヰルのやりとりを終え、
夜に電話がかかってきたので、
詳しく訊いてみた。
土曜夜に姉は姪に不審な質問をし、
その後、姉の電話に着信があり、
一時間程で戻ると言って出たきり、
結局朝になっても帰って來ず、
そして今朝頃、義兄宛に、
決意のメヰルを送ってきたという。
なるほど本気具合を表しているのは、
私の電話に出ないという亊からも判る。
それにしても姪まで置いていくなんて。
心の亊情は如何あれ、悲しい。
居場所が判らない以上心配なのは、
変な亊に巻き込まれていないか如何かだ。