澄んだ夜空に

†どれだけ東京より澄んでいても、
母宅ですら夜の星は霞んでみえるらしい。



だけれど此処では違う。
いつか一年程お世話になった日々に、
毎日の様にみていた星の数々が、
また私の頭上で輝いている。
流れ星が幾つか流れていたので、
坂を下り入り口の門の辺りで、
興味のある者だけ集まって空を仰いでいた。
私の心の病は流れ星と共に何処かへゆき、
まるで洗われたかの様に穏やかだった。
此処に長く滞在していたら、
本当にこの病も治ると感じた。