2007-01-01 月を呼ぶもの 感 "夕刻劇場" †ちょいと珈琲を、と思い夕刻、 握り小銭で一人外に出てみると、 好い具合の暮れ色に染まっている。 過去より繋がる不思議で素敵な彩り。 さて、と道へ一歩を踏み出した時、 頭上より烏の合唱が聞こえてきた。 何亊かと仰ぎ見ると何ともまあ、 母のよな柔らかな月とは対の方角へ群れて、 まるでお家へ帰るお子らの様で微笑ましい。 月に見守られて自由気に飛び回る烏達は、 群れながらも各々が思うが儘に風を泳いだ後、 月の照らす闇の中へと溶け込む様に舞ってゆく。 夜の主である、 彼女に光を託す為に。