雷音

†辿り着いたのは蒼い世界だった。
昼なのか夜なのか判然としない広い空も、
美しい線を描いて遠方まで聳える山々も、
視界全てが蒼一面だった。
遠くに細く稲妻が走っているのがみえた。



何も知らされないままに連れて来られた世界。
確かめる事すら否定する様に固定された視界。
檻に閉じ込められる嘗ての繁栄を束ねた獣者。
生き残りゆく術は彼女の手の中に。