2006-03-16 雷音 創 †辿り着いたのは蒼い世界だった。 昼なのか夜なのか判然としない広い空も、 美しい線を描いて遠方まで聳える山々も、 視界全てが蒼一面だった。 遠くに細く稲妻が走っているのがみえた。 何も知らされないままに連れて来られた世界。 確かめる事すら否定する様に固定された視界。 檻に閉じ込められる嘗ての繁栄を束ねた獣者。 生き残りゆく術は彼女の手の中に。