それ先に言って

†以前あった四匹の猫の里親探しの件は、
あと一匹の成猫を残し、無事引き取られていった。
遊びに行った時に会えなくなるのは寂しいけれど仕方ない。
里親になって下さった方々も知らない人ではないので、
後はその猫達の幸せを祈るのみ…。



そしてあと一匹の成猫。
彼女は私の知人の方に引き取られる事になった。
これで処分等と悲しい目に遭う事はない。
良かった、せめてあの子達だけでも助かる事が出来る……


…と、解決する筈だったんだけど。
電話で里親になって下さった方々の事を訊いていた時。
母は突然、悪戯の最中を発見された子供の様な言い訳がましい、
しかし実にさっぱりとした口調で私を混乱に導く。


母「実はねぇ、私みちゃったのよ、ちらっと、ちらっとだけど。
上の押入れの中にね、黒いふさふさした、小さい何?ネズミ?
まぁ多分確実に猫なんだけどね、こっそり産んだのかな〜これ。
ど〜しようかな、これ。あ、これもう目ぇ開いてるよ。
一ヶ月目かな?ははは可愛い、毛がポショポショしてる♪」
私「…そういうオチかぇ。わかりました」


策士め、私の弱みを突きやがって。そういうのは先に言えよ。
知人の方に話すと、何とその仔猫も引き取って下さると…。
それを母にメールで伝えると返信の文面から喜びが溢れていた。
後に送られてきた仔猫の写メをみて余りの可愛さに爆笑した。