脱出

†夜、飼い猫のひとりが脱出した。
そろそろ適齢の頃だったので、
施そうかと考えていた時だった。
飼い主の落ち込みが激しいので、
とりあえず公園から探す亊にした。
然しどれだけ探してみても、
いっこうに見つかる気配が無い。
仕方が無いので一旦帰って眠り、
猫の行動しそうな時間帯を選んで、
飼い主一人で探しに行っていた。
この亊を母に話した。
母の家に居る猫達にはよくあるらしい。
それから猫の習性を教えてもらい、
心配する亊は無いのだと励まされた。
とにかく無亊で居てくれたら――。
今はそう祈るしかない。