東北出身啖呵娘

†姉である。
姉は私と出会う迄、
ずっと東北にいた。
正確に言えば、
私が生まれた時、
遊びに行った先の、
祖父母宅で会っていた。
その当時の寫眞が、
最近見つかったのだ。
何だか嬉しい驚きだ。



異父姉妹であるにもかかわらず、
いつでも私の亊を心配してくれる姉。
姉がまだ高校生で喧嘩っ早かった頃は、
しょっちゅう喧嘩をして泣いたものだが、
今ではすっかり友人の様な付き合いになり、
姉の牙も折れて丸くなった(多分)。



今日はそんな姉の誕生日。
恒例行亊の、いぢわるなメヰルを送ったのだが、
後にかかってきた電話の内容は反撃ではなく、
携帯電話を買い換えたいという相談だった。
いつも姉との電話は長電話になる。
この時も姉はおめでとうを言う暇を与えず、
あれはどうかこれはどうかと私の意見を求め、
主婦丸出しの、それでいて子供の様な、
実に立派な(?)悩みっぷりを発揮していた。
その時、何故だか初めてこう思った。
姉はきっとこの先、この儘変わらないんだろうなと。
当然だけれど私にはないものを持っていて、
それが姉の出生時からの苦労を癒しているのだと。
出生の詳細は知らない。姉ですら知らないのだ。
けれど知らなくてもいいやと思う亊にした。
いてくれるだけで良いのだもの。