白い花

†姉と買い物へ行った時の亊。
いつも行っている店とは違う店で、
その花をみかけ足が止まった。
彩り鮮かな花々の中で、
ひっそりと咲いていた白い花は、
何ともいわれぬ存在感があった。
私はこの可憐な花がどうしても欲しくなり、
世話になっておきながら図々しいのを承知の上、
または拳が飛んでくるのを覚悟の上で、
姉にこれ買えと控え目に迫った。





あかんかった。





ただでさえ庭にたくさんの花が生きている。
これ以上は空けられる場処がない。
そこのところわかっておるのかね君。
みたいな亊を言われて了っては仕方ない。
まるで子供みたいにしょんぼりうなだれて、
そっすよねとしか言えなかった。
買い物!買い物!さっさと買い物!
といった感じでさくさく去る姉に隨う私。
無力だ。