霞む雨が甘さを鬱

†何度も睡気が波の様に押し寄せ、
抗い切れずにのまれ。



蘇生の夢を。



†目覚め

クリニックの予約時間が迫っていた。
整えてからのまれた様でそのまま出るだけだった。
大嫌いな電車に乗り大嫌いな人混みに紛れて到着。
書を携えてゆけば良かったと思う様な待つだけの時間。




時間。時間。時間。時。


診察では重要な事を話したが珍しく短かった。
生き死にの話はそう重要ではない様だ。
そうだろうと思った。
人の生の相談所ではないのだから。




外は何時迄も雨。相変わらずの人混み。

まるでくもの巣みたいで、
苛立ちと怖れは絶頂に達していた。


お願いだから、静かに眠らせて。


†すぱいらる

安寧の場処には成り得ない、
肩身の狭い世話先への道中。
酒家の前に屯していた、
楽しそうな人々をみて描いた。
自らのそんな姿を。



「今は無理だよね・・・」



でもその言葉、
一体幾度繰り返している?
矛盾の循環。



「何故独りで生きられないの?」
Ⅹ酛の私が問いかけてくる。

†藥

今夜は眠らせて頂戴ね。
今この夜、縋れるのは君達だけなんだ。